所有者 中野市 所在地 中野市立博物館
姥ヶ沢遺跡は大俣集落の東南方の旧千曲川にのぞむ河岸段丘の丘の上の小字姥ヶ沢にあります。中野市教育委員会は昭和57年(1982)4月6日から5月10日にわたり発掘調査を行いました。今からおよそ4,000年前の縄文中期の住居址1戸と祭祀址と推定される場所などと、土器・土製品(土偶のほか耳栓と耳飾など)・石器・石製品など多量を発掘しました。なお、時代はくだって今から1,500年前の古墳時代中期の住居址1戸と、土器類の出土もありました。
有脚立体土偶は、接合によってほぼ完形の土偶となりました。この発掘調査地から28個体の土偶片が検出されました。
この土偶は高さ19㎝、重量は485gの中形に属するもので、頭上は扁平の皿状を呈し、額の上には粘土紐でU字状の髪形を頭の横から後にかけて二条の粘土紐で結髪のようすを表現し、顔面は平板のほぼ円形ですが下方は少しこけています。
両腕は水平に開き、両手の先までは12.5㎝、胸部には高さ8mmの乳房をつけ、胴は割合に細長で、下腹部はふくらんで妊娠の状態を表わしています。脚はきわめて短く、表側には沈線文と突刺文の文様をつけています。(中野市ホームページから転載 2016.10.6)